痛快時代小説 不知火雪之丞vol.1 おんな女衒の刺青
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時は、天保年間。 老中、田嶋筑前守の配下にして、独自の生きざまで旅をする男、不知火雪之丞(しらぬい・ゆきのじょう)。 その日、雪之丞は、一人の女に出会った。女は、執拗に絡んでくる五人のごろつきを、一刀のもとに斬り倒した。女は、「人買い天女と呼ばれるおんな女衒」と自らを名乗った。 雪之丞とおんな女衒の間に燃え上がる情念の炎。 二人に忍び寄る、幕府転覆をはかる薩摩藩の刺客。 雪之丞とおんな女衒の運命はいかに……。 かっこいい! 強い! ダンディズムが光る! 「こんなヒーローに出会いたかった」そんな貴方にお届けする納得の時代小説の幕開けです。 【本文ちょっとだけご紹介】 露天風呂で、雪之丞はまた驚くべきものを見ることになった。 裸になった天女の肩から尻にかけて、一面の彫り物が彫られていたのである。 竜に巻かれている吉祥天女……。 竜は正面を向いてカッと口を開き、見るものを威圧している。 吉祥天女は、そのような恐ろしい竜に体を巻かれながらも、慈悲のあるまなざしを見るものに向けている。 「背中に背負った吉祥天女。この彫り物のおかげで天女という通り名がつきました。それ以来、自らも天女と呼ぶことにしております」 天女は、お里の体を洗い始めた。 売り物のお里を少しでもきれいな体にしておきたいという配慮なのであろう。 雪之丞は、体を洗い終わった天女とお里と、湯につかった。 「女だてらにいつまでも女衒をしているわけにもいかんだろう」 「あら、それはどのような意味でございます? あたしのような女でも、嫁に引き取ってくれる男がいると?」 「この俺ではどうだ?」 「お戯れを」 *このようなタッチで、エロスと、死闘と、ロマンが展開します。新感覚の時代小説です。
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