電子歌集 記憶喪失 第三集
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2017年に詠んだ短歌の記録です。 ----- 試し読み ----- 1月 世が世なら互いの首を奪い合うそんなふたりでいたいと思う 始まりと喪失の月あけましておめでとうなんてもう言えないな 2月 証明せよ無垢の死に意義があったと。言い張れば良い。君らは無力だ。 短歌製造工場を止めるのだ。そのひとことで電気止まった。 3月 貴様らのルールで生くというならば止めないけどさ楽な道だな さよならを繰り返してもわたしたちまた逢えるよね銀幕の君 4月 底なしの冷たい拳が吾を撃つ(もういない、さがしてもだめ) 骨になる柔らかかったくちびるはもう灰になる良い匂いだね 5月 生きるには資格が要ると言うひとの背から伸びたる羽根は青くて 腰抜けるほど君愛されたことはあるかねダイナマイト手に 6月 嘘吐きに言える言葉はこれだけで、「鉄パイプで殴れば死ぬでしょ。」 それはもう希望なんてものでなくそう言うなれば犬みたいなもの