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冬夏ep
軒下
再生できません
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初音ミクV3使用作品です。 変拍子などの要素が多少含まれております。 クロスフェード(youtube) https://www.youtube.com/watch?v=Ms0d_vc166w&feature=youtu.be
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一人きりでポストの手前 遠い街をのぞいた瞳 擦り傷だらけ 便箋と栞 雪の味を路地で吸い込んだら 階段と、煉瓦の通りを 息を止め走り抜けた 旧市街の屋上には 銀色と冷たい呼吸のリズム 凍えそうなその背中に 温めた言葉を、今見せるよ 旧市街の屋上には 鈍色と出せない手紙の束 伝えたいと思うほどに 溢れ出した言葉が、染みになっていく 「いそいで!」
八月の人へ
緩く傾いた地球の地図に鋲を立てると 切れたはずのシアンが溢れて ぎゅっと手が止まる 口笛が遠い迷宮の歪んだ壁に一つ穴を開ける 覗き込んだら、思い出してごらん 目を閉じて 白い生地をテーブルに広げたままで 眠ってしまったみたい 話し声はナイフとフォークの音で、 掻き消されてしまった 夏が、部屋の白いカーテンに 影を残して逃げる 背の高い花、見向きもしないで 此処を抜けたら海だ! 満たされない胃袋 躍る八月の子供たち 降りられないかも 足が竦むなら、 「ここは生まれる前の、世界を選ぶメニュー画面の中だ」 って思うのさ 右を見ても、左を見ても 波の感覚と、海藻の庭 思い出せば、あの八月に 君の表情は、空に溶けていた 遠い日々が、冷房の隙間から 影を残して逃げる 罪など無いから 「忘れていくこと」に きっと、生まれる前に君と出会っていたら それが始まり、なんて思うのさ 校庭も教室も姿は見えず 浮かぶ風景は回想の中に 海へ沈むあの八月の人は 今日も、表情を見せないの