


A5 124P デジタル印刷 2018年1月14日発行 2016年2月から12月までTwitterでちまちま書いていた、ダリューンと陛下の日記再録本。手直しをし、派生小話と書き下ろしを少しだけ入れて一冊にまとめました。 紙媒体で欲しい方向けです。(倉庫にしていたPrivatterは全て非表示にしました。) 書き捨て的にはじめたので、辻褄や時代考証等を重要視する方より、なんでも楽しい方におすすめします。陛下が即位してすぐの頃、恋人になったダリュアルのドタバタな日常。 ※横書きです。
本日は戀愛日和!(サンプル※ダリューンパート)
2月10日(水) 朝からあまりにも働き詰めなので共に休憩しようと進言したら冷たくあしらわれた。ナルサスとは一日中一緒にいるくせに。室内で優雅にお茶なんか飲みながら政治について話し合っているのだろう。あああ、羨ましい。ええ、どうせおれは外でむさくるしい男共と汗をかくのが仕事ですよ。 2月11日(木) 今日は非番。いつも王宮に詰めているから休みの日はどうして良いかわからぬ。自主的に朝の鍛錬に出て黒影号の世話をしたら暇になってしまった。陛下は執務中。構ってくれない。暇だ。仕方ないから市場に出たら陛下のお好きな果実があったので一籠購入した。喜んでくださるだろうか。 2月12日(金) 昨日の差し入れの効果だろうか。今朝おずおず寄って来られて「今夜私の部屋へ来てくれ」と言われた!やった!いやしかし周りに知られてはいけないからな。一日普段通り過ごすぞ。とりあえず湯を五回ほど浴びて身体中ツルツルに。ものすごく深剃りで!陛下に擦り寄ったときのために! 2月13日(土) 昨日は最悪だった。久々の共寝に暴発してはいけないと祈りを唱えながら愛撫していざ!というときに呼び出された。行ってみれば千騎長辺りで充分。こんな案件をおれに持って来るな!と部下を叱り賊に八つ当たって戻って来たら陛下はすでにお休みになっていた。二週間ぶりだったのに! 2月14日(日) 今日は恋人の日だとかで朝からギーヴは出掛けて行った。おれは仕事だ。鍛錬に励む。兵たちを指導していたら俄かに騒がしくなった。見ると陛下が来られていた。部下の手前慌てて跪礼をとる。「昼餉を持って来たから一緒に食べよう」と手を引かれて木陰の長椅子に座らされた。天使か。 2月15日(月) はっきり言って昨晩は良かった!一昨日の仕切り直しだとかで久々に燃えまくった!朝から顔がにやけていかんな。陛下のご様子は全て記憶した。今日からしばらくはこれをオカズに…なんて考えていたらナルサスに後ろからはたかれた。羨ましいのだろう!しかしお前には見せてやらぬぞ! 2月16日(火) 陛下が非常に不機嫌だ。全然おれに構ってくださらぬ。お茶の時間にようやくその理由がわかった。どうやら昨日のおれが上機嫌だったのを見て誤解をされたらしい。ナルサスと楽しそうにはしゃいでいた、と頰をふくらませながら言われた。ヤキモチか。可愛すぎる。嬉しさがこみ上げた。 2月17日(水) 二人の休日が重なる貴重な日。こっそり城下へ出て買い食いしながら歩く。元々街暮らしの陛下はこういった余暇の過ごし方がお好きなようだ。民の暮らしも見られて良いらしい。そして珍妙なもの好きなのも変わらぬ。異国の食べ物を確かめもせずに召し上がるのはどうにかならぬものか。 2月18日(木) 昨日の買い食いがエラムにバレて二人して大目玉を喰う。おれがちゃんと毒見をしたから、と弁明するとダリューンさまが毒見をしたところで意味はありません、と返ってきた。おれだって斬られれば血が出るし毒を盛られれば死ぬ。ナルサスといいこの師弟はおれを何だと思っているのか。 2月19日(金) 執務中の彼は真面目で無理ばかりする。あまりに疲れたご様子だったので進言したらそっけなく退出を命じられた。可愛くない。「昨夜はあんなに素直でお可愛いらしかったのに」と言ったら真っ赤な顔をして拳で殴られた。おまけに日暮れまで謹慎だ。褥の上では勝てても権力には勝てぬ。 2月20日(土) 急に遠征が決まった。聞いた感じではおれが出るまでもない気がするのだがナルサスよ。本当に行くのか。いや行く事自体は吝かではない。ただ陛下と喧嘩中だから早くなんとかしたいのだ。昨晩は結局会えずじまいだったし。出発前にお顔を見たかったが軍師に蹴り出されて城門をくぐる。 2月21日(日) すぐに帰れるかと思っていたのにまだ往路半ば。目的地にも着いていないとは。三日で戻るつもりだったのにこの調子では無理そうだ。陛下はどうしていらっしゃるだろう。今晩は会食があるという話だったが大丈夫だろうか。お酒を召された陛下は色っぽいから不埒な輩がいないか心配だ。 2月22日(月) 眠れなかった。野宿だからだとか進軍中だからだとかではない。陛下の御身が心配だったからだ。助平爺に無体など働かれていないだろうか。想像するだけで斬り殺してやりたくなる。陛下のご尊顔を拝するだけでもおこがましいのに。おれはもう3日会えていないのだぞ。さて賊はどこだ。 2月23日(火) 終わった!帰る︎帰るぞ!明後日の晩には王都に着くぞ。陛下はどうしておいでだろう。確か今日は執務がお休みのはず。寂しい思いをされていないだろうか。王宮を抜け出してはいらっしゃらないだろうな。変な男に引っかかっていたらどうしよう。殺るか。陛下不足でもう倒れそうだ。 2月24日(水) むさ苦しい男共と帰路を行進中だ。ああ陛下。陛下は今何を。明日には帰ります陛下。早くお会いたいです陛下。出迎えて喜んで抱きついてくださったら抱きしめ返して腰を撫でて…などと考えていたら溝にはまった。王宮に入る前に湯を浴びねばならぬだろうか。とりあえずは水浴びだな。 2月25日(木) 部下を急かしまくって夕暮れには王都へ戻れた。城門をくぐるとナルサスがこちらへ来る。お前じゃない。陛下はどちらにいらっしゃるのだ。「ダリューン!」「陛下!」の感動の再会?!友人に目で問うとお前たち喧嘩してるんじゃなかったのかとニヤニヤしている。まだ有効だったのか! 2月26日(金) ようやくお会いできた。体調を崩されていたらしい。先日の会食で呑み過ぎてしまってから体調が優れないそうだ。昨晩会っていたら、がっついてしまっただろうから悔しいが正解だナルサス。しかし呑み過ぎた理由が俺が居なくて寂しかったからだなんて可愛すぎる。おれの陛下は天使だ。 2月27日(土) 出仕したらエラムに休暇を言い渡された。意味がわからぬ。なぜエラム。そして質問は受けぬと城を蹴り出され自宅に戻ると陛下がいらっしゃった。今日から二泊三日で泊まるそうな。もしやこれはプチ同棲?!いや待て陛下に見られては困るものを隠さ…あ、陛下!そこ開けたらダメです︎!! 2月28日(日) 思う存分抱き合って思う存分眠る。目が覚めたら陛下が腕の中にいらっしゃる。幸せだ。柔らかく温かい肌に擦り寄ると瞼が震えて蒼く潤んだ瞳があらわれた。おはようございます、と唇を寄せたら髭!と思いっきりの拒否。一晩経てば髭も伸びます、とツルツルの頬をつつきながら言った。 2月29日(月) 朝起きてお互いの存在を確認する。共に食事を摂る。街が起き始めるのを眺めながら、こっそり手を繋いで歩く。当たり前の事が当たり前にできる幸せを噛み締めながら、陛下と一緒に王宮へ向かった。新婚みたいで嬉しい。今日からまたこき使われそうだな、と思いながら城門をくぐった。 ※ダリューンが左、陛下が右ページで対になっています。


