
昭和30〜40年代ごろにかけて使われていたと言われる、紙カードを利用したデータベースシステムである「ハンドソート・パンチカード・システム」について紹介しています。
ハンドソート・パンチカード・システムとは
「ハンドソート・パンチカード」は1920年代にイギリス人によって考案されたもので、カードの縁に開けられた穴をパンチすることによって検索やソートのためのメタデータを記録する仕組みです。場合によっては数万件の情報を効率的に取り扱えたということです。 カードの縁に沿って開けられた1列の穴は2進数、2列の穴は3進数を表しますが、複数の穴を組み合わせた様々な「コード」によって、人間にとってのわかりやすさや検索効率を高める工夫がされています。 昭和20年代後半から民間企業や役所などでは、このカードを使って事務の効率化のための仕組み作りが試みられました。現状の課題(事務作業の肥大化)に対して要件を定義し、カードを設計し、業務フローを見直し、関係部署と調整して導入する、つまりは「システム開発」です。 今時のDBMSとは比較にならない素朴なツールですが、現代のDB設計やシステム開発に通じるエッセンスが含まれている興味深いツールです。