真にこの方は神の子であった―――。
見よ、おとめがみごもって男の子を産む。その名は神と共に居られる子、即ちインマヌエルととなえられる。(本文より抜粋)
ローマ百人隊副隊長の槍兵は、ある日山賊に襲われ浚われる。山賊の塒で彼の傷を癒す奇跡を起こした盲目の参謀「天眼」に仕えるべく、彼は山賊の頭領から「真槍」の名をもらう。玉石混合の山賊に加入する条件は、ただ一つ。「母親が乱暴されて生まれた子」であることだった。
神の子イエス、子なる神イエス、人間イエス。それらのどれとも異なる、「魔術師イエス」を、現役カトリック信者とは思えない発想で描く、もう一人の救い主の物語。
※残酷表現有。上下巻セット売りです。