逃れられぬ罪・さとりの過去編~王が優しい国~”The king draws admiration”
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「こいしと死ぬまでずっと―――――――幸せに生きていたい。そう約束したのだから」 いつの日か、静かに香る花畑の空で小さな小指を交わし1つの大切な約束が結ばれた。 草木も祝福するようにゆっくりと揺れだす。 土の匂い、草の臭い、花の匂い。 花畑全体の匂いを乗せた風が、彼女たちを優しく包み込む。 晴天の下、心地よい光が彼女を照らした。 「ああ――――――――――こんな日が、永遠に続けばいいのに。永遠に。永遠に」 けれど、その約束は――――――――――――――――― 『さとり様!! どうしてあいつを殺さないんですか!! さとり様が殺さないのなら私が!!』 『お前には分不相応だ。王の座を渡せ、さとり。言う事を聞かぬのならばお前を――――――』 『封印されている間は暇で暇で仕方がなかった。女神とやらを恨まなければならないな。さて――――――――』 『この裏切り者が気持ち悪いんだよ!! 殺せ殺せ!!』 『お姉……ちゃん――――――――――――――――』 「もう―――――――――どうなってもいい!!!!」 ――――――――――――――叶うのだろうか。 逃れられぬ罪・さとりの過去編~王が優しい国~”The king draws admiration” 今ここに、1人の少女の物語が幕を開ける。