中央線沿いの高校に通う女子高生、彼方サクラ。
彼女には足りないものは一つもなかった。
セックスフレンドもいた、心を許している友人もいた、お金も余るほどあった。
それでも満たされない寂しさがあった。
新宿の風景は彼女になにも与えない。
ただ、彼女に空腹だけを教えていく。
父親は帰ってこない。母親は死んだ。
サクラは満たされなかった。足りないのはものではかったから。
彼女は寒かった。だから眠る。包まれるようにして眠るまでの物語。
ページ数 106
表紙イラスト 三好まを
表紙題字 あきらど
著者 転枝
表紙一色塗り カラーカバー付き