少女と活字 プラチナ・コレクション 電子版(PDF)
- 500 JPY
文字を愛する、すべてのひとへ。 16の有名な欧文書体たちを、女の子のイメージに投影しつつ、その特徴や出自・なりたちを詳しく解説した「欧文書体擬人化本」です。すべての書体(少女たち)の解説文を英訳し、「その書体自身で組んだ」英文による組見本も収録しています。 【収録書体】 Caslon, Garamond, Gill Sans, Futura, Clarendon, Helvetica, Bodoni, Univers, OCR-B, Optima, Rotis, Meta, Template Gothic, Shelley, Frutiger, Trajan [B5版 / 40p / 日英2ヶ国語併記(少女の紹介文のみ)] ●2013年に発行した同人誌「少女と活字 プラチナ・コレクション」を原本として、PDF化したものです。単ページ版のPDFと、見開き版のPDFの2種類のファイルをダウンロードいただけます。 ●文字サイズの都合上、iPad・PCなどの大型画面での閲覧を推奨します。
本書収録の「はじめに」より転載
はじめに 個人にパーソナル・コンピュータが普及してから、誰もが手軽に高品質の 印刷物を扱うことができるようになりました。おかげで、職業として 文字に関わらない人たちのあいだにも、書体や文字のかたちに対する 興味が増したように感じます。デザイナーでもない人の口から「あのフォントきれいだね」なんて単語が出てくる時代が来るだなんて、 誰が予想したことでしょう! そして、特に欧文の書体に関しては、すでにその歴史が多くの 研究者によって丁寧に調査されており、活字の成立から今に至るまでの 流れも、おおむね整理されつつあります。 書体には、それぞれ個性があります。 書体設計者、いわゆるタイプデザイナーは、自らが作った書体に、 我が子であるかのように接し、相対していくといいます。自分の作った 文字を「娘」「息子」と称するタイプデザイナーも少なくありません。 文字たちは、可愛らしかったり、 綺麗だったり、 気むずかしかったり、 つんと澄ましていたりします。 思慮深いデザイナーや組版者であれば、書体に関する適切な知識を背景に 彼ら・彼女らに接し、その手を借りて印刷物、近年はディスプレイに 文字を並べ、版面を作り上げます。 そして一方、タイプデザイナーたちは、いちど完成した書体でも、 微調整を何度も何度も行い、みがきをかけ、完成度を増していきます。 自らの書体を比喩でも何でもなく「育てて」いくのです。 書体を人と見立てれば、なぜだか自然と、 性格を想像することもできたりします。 本書は、独断と偏見で選んだ有名な欧文書体たちに、 むりやり女の子のイメージを投影し、その佇まいを少しでも 垣間みていただくために作られました。今回は、全面的にイラストをリニューアルした改訂版「プラチナ・コレクション」という形でお送りします。 これを機会にして、すこしでも文字や書体に興味を持ち、 そして彼女たちのきらめくような魅力の一端に気づいてくれる人が 増えたら、とてもうれしいです。 2013年5月 robamoto