一九四四年、二月一七日。 一隻の艦が暗い海に沈み、幾人もの命が消えた。 艦娘の少女もまた、その身に宿した船魂と共に、散った。 それから、およそ七〇年の後。 海の底に在った船魂は、再びこの世に顕現した。 かつて依代にした少女の姿を取る、一人の艦娘として。 ミッドウェーの海で、護ること叶わずその最期を看取った後悔。 トラックの海で、無慈悲な空襲を受け殺戮された恐怖。 海の底で刻まれ続けた、冷たい哀しみ。 その身には過大な想いを背負ってなお、甦った少女は再び、立ち向かう。 果たせなかった約束を、果たすために。 あの海を二人で、乗り越えるために。 もう一度笑顔で、みんなと踊るために。 ※本商品は【電子版】です。