壊れた世界の片隅で
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onkm小説*DL版*20P 『壊れた世界の片隅で』R15 『永遠の物語』 『壊れた世界の片隅で-終章-』 下にサンプルを掲載してます。
壊れた世界の片隅で(サンプル)
「神谷さん?」 続いて来た言葉に、俺の思考は完全に停止した。 「神谷さんって、誰ですか?」 「…小野さん、どうしたんだよさっきから。」 後ろから悠一が声を掛けてくる。 「え、だって…神谷さんが……」 「だから神谷さんって誰なんだよ。」 「悠、一…?」 「小野さん、マジでどうしたんだよ。」 悠一が嘘をついてる様には思えない。 「皆…解んないの?神谷さん…神谷…浩史さんだよ!!」 ブース内の誰もが小さく首を振る。 誰も知らないのだ、本来この役のあの人を。 誰も知らないのだ、俺の愛しいあの人を。
永遠の物語(サンプル)
「ねえ、君も一人なの?」 ボクのゲージを覗き込んだその人は、悲しげな笑みを浮かべていた。 柵の前に出された指を、身体を起こして嗅ぎに行く。 「家に来る?僕もね、独りぼっちなんだ。」 ボクは答えるように、みゃぁと鳴いた。 彼は、ボクを連れて帰ってくれる事になった。 「ここが今日からお家だよ。名前は…そうだな……」 新しい家に着いたボクは、柔らかい椅子に座った彼の膝の上にいた。 暫く考えていた彼は、あっと声を上げてボクの頭を撫でた。 「にゃんこ先生にしよう。ね、にゃーさん。」 ゴロゴロと喉を鳴らして見せれば、彼は笑った。 ボクに、大切な家族が出来た。