規則正しく季節のめぐらないその国では、冬が長い間居座っていました。しかしあるとき、ばたん!と大きな音がして、冬が終わりを告げたのです――。
冬の終わりを知った幼い兄弟たちは、いよいよ訪れる春を探しに出かけ、一羽の小鳥と出会います。
冬の終わり、春の訪れを祝うお祭りで託された方位磁針を手にした彼らは果たして、春の訪れを目にすることができるのでしょうか。
2014年に象印社より発刊された方位アンソロジー「廻る針の一夕語り(めぐるはりのいっせきがたり)」に掲載された、恣意セシル初の児童文学、待望の電子書籍化です。