娘たちはとびらをひらく
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文芸サークル「夏のカノープス」による同人誌第一号です。 A5サイズ、98ページ。おまけのアクリルしおり付き。 第31回文学フリマ東京で配布したペーパーも2種付いてきます。
透〈詩〉
とある日の渋谷の想い出。会社で感じた、ほんの少しの憤り。母と娘のありふれた関係。恋人への想いに対する葛藤。夕方の密やかな会話。いつかの……あの人との記憶。 特別でもなんでもない。誰もが経験したことのある、平凡で些細な出来事。なのに、時々想い出すと――胸の奥が鈍く痛む。 何気ない日常を「娘」の視点から切り取った6編の詩。
森野ざくろ〈小説〉
「仮死」 富裕層向けに死の体験を提供する施設で働いている私。自分とは一生縁のないものだと思っていたが、ある日母親がその施設を利用することを知る。今まで築いてきた母親像が崩れ、一人の人間としての姿が見え始めた時、私は――。 「3月8日 降水確率60%」 令和を生きる一人の女性の、いつもと変りない一日。声を上げる程の大したことではないと思いながらも確実に削られていく心を繋ぎとめるのは、同じ苦しみの中を生きる彼女たち。
ちゅう〈小説〉
「ある鳩をめぐり」 一人暮らしの会社員、笠原さゆり。無味乾燥な生活の中で見つけたのは、車に轢かれたとある鳩。それ以上でも以下でもないはずなのに、妙に引っかかるのはなぜ? 鳩が何を思って生きたのか誰にも分らないように、さゆりが何を思って生きているかは誰にも分からない。彼女だけが知っているのです。
眞鍋せいら〈短歌・詩〉
I was born受動態だと習いたるカーテンの外どこまでも青 わたしたちどこまでだって行けるはずいつか魔女にだってなれるよ この世に「生まれさせられ」、「女」にされていくこと、そして自らもまた「産む性」として扱われることへの違和感を描いた「彼女の名前」。女性同士の友情と孤独を詠んだ「さみしくない夜」。家族との関係と愛の形を探る「姉の結婚」。短歌連作2編と自由詩1編を収録。