EIN GLANZは1991年4月に発表して今年で四半世紀が経ちました。 25周年のアニバーサリー記念として色々発表していきたいと思います。 ＊＊＊ 《三種の花の紋章》 アルベルは十時のお茶会用にマカロンを作り紅茶を用意していた。 薔薇のような薫りのディンブラをガラスのティーカップに注いではちみつとフルーツで飾る。 マカロンはアーモンド味のマカロンにチーズクリーム、カカオ味のマカロンにマンゴーヨーグルトクリームで挟んでお皿に並べる。 ランチにきくらげの食感が新鮮なカレーライスを用意してブランチでもいかがかと考えていたのだった。 そうしてあれから四半世紀の月日が流れていることを思い出しながら友人同士仲良くお茶会を楽しむのだった。 あと十日で最愛の女性が四十歳の誕生日を迎える。娘のリリィは九月で二十歳だ。 テーブルの上の花瓶にエーデルワイスとドイツスズランと純白の姫薔薇の花束を飾る。 六月の花嫁を彷彿とさせるこの国伝統の三種の花のブーケは最愛の女性の家の紋章として長い長い年月をこの国とともに過ごしてきたのだ。 友人たちが楽しげにお茶会を過ごしているのでアルベールはピアノを弾き雰囲気を更に華やかなものにした。 六月の花嫁の季節に想いを馳せて。 幸福な時間を皆と楽しく、健やかに共有し、育んでいる。 過去も現在も未来もそうしていきたいのだ。 ＊＊＊