らはじゃT
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「らはじゃT」の購入をお考えの貴方に、ここで軽く、日本人には馴染みの薄いアラビア語という言語について説明したい。 まず、アラビア語には大きく分けて、会話体で使用される口語方言(アーンミーヤ)と文章体で使用される正則アラビア語(フスハー)がある。書き言葉と話し言葉に違いがあるのは、程度の差こそあれ、あらゆる言語に見られる現象だが、ダイグロシア(一つの社会で、二つの異なる言語が、それぞれ別の機能を持ち、使用場面に応じて使い分けられている状態のこと)の社会では少々事情が異なる。明治後期から昭和40年代後半頃にかけて、一方言に過ぎなかった東京語が、共通語化政策によって人工的に標準語へと昇格させられたことで生まれた現代の日本語とは違い、現在、アラビア語圏で話されている多くの方言と呼ばれるものは、正則アラビア語であるフスハーが、他言語との接触や、何世紀にも渡る誤用の蓄積により、乱れて枝分かれしていったものだと言える。加えて、フスハーは7世紀中葉に編纂されたクルアーン(イスラム教の啓典)を規範としていることから、多くの言語に見られる「流転して広く受容されていく」という言語の特性が適応されない。例えば、日本語の乱れとしてよく指摘される「ら抜き言葉」や「敬語の誤用」といった文法的誤りも、一般化することで将来的には正しい日本語として認められる日が来るかもしれない。しかし、アラビア語の場合は、会話体で使用されなくなった「双数形」などが文章体から消えることは、まずない。結果として、書き言葉と話し言葉の乖離は深まる一方なのだ。 それでは、多くの学習者が身に付けようとしている「流暢なアラビア語」とは一体何を指すのか。確かに、地理的制限のある方言に比べ、フスハーはどこでも通じるという点で非常に魅力的だが、畏まったイメージを伴うことから、砕けた場面でそれを使用すると、しばしば嘲笑の対象になる。加えて、一般的にアラビア語(アーンミーヤ)を母語としている所謂ネイティブでさえ、その煩雑な規範文法ゆえに、フスハーを完璧に使いこなすことのできる者はほとんどいない。そのため、多くのアラビア語学習者は、大衆メディアの発展に伴い、広く理解されるようになったエジプト方言や、地理的にアラブ世界の中心に位置することから、フスハーとの相互理解性が最も高いとされるレバント地域(シリア、ヨルダン、レバノン、パレスチナ)で使用されている方言を、フスハーとは別に学ぶことになる。 ところで、筆者は昨年、自身の語学力向上、もとい自信をつけるべく、パレスチナ西岸自治区のナーブルスにあるナジャーハ大学(以下ナジャ大)の一ヶ月短期集中コースに参加してきた。授業中は発言することが強く求められ、そして沢山書いた。このアウトプット重視の授業は、長年募らせていた言語的不安を払拭するのに大変都合が良かった。 そして、このナジャ大では後者に属するパレスチナ方言を、専用の教材を用いて学ぶことができる。闇雲にネイティブの真似をするのではなく、構造的に頭で理解しながら勉強していくので、非常に楽。もしかしたら、漸く「流暢なアラビア語」が喋れるようになるのかもしれないと歓喜に震えたほどだった。実際、そこに一縷の望みを抱いていたのも事実。しかし、人生は往々にして不測の事態の連続であり、時に諦めは心の養生になる。 「チェーフェチュ(お元気ですか)」 なぜ神は言語の凋落を禁じなかったのか。 {لاَ يُسْأَلُ عَمَّا يَفْعَلُ وَهُمْ يُسْأَلُونَ} 思えば長い道のりだった。日本語しか分からなかった幼少時代。アラビア語(日本語)をできるようにと入れられたサウジ人(岡山県人)学校で、仲良くなった友はシリア弁(岩手弁)を使い、家で待っている親戚とはイラク弁(津軽弁)で話さなければならず、転校先ではリビア弁(鹿児島弁)が飛び交い、エジプト弁(河内弁)を操る教師陣が教鞭をとっているような環境で、誰が喋れるようになるだろうか。いや、まだマグレブ方言(琉球語)を避けられただけ運がよかったのかもしれない。 たとえ、複数の方言を理解することが出来たとしても、どの単語やコロケーションが、どの方言に属しているのかを正確に把握しておかなければ、筆者のように、ちゃんぽん状態になった方言、いわば、アーンミーヤのアーンミーヤを話す謎の生き物が出来上がってしまうのだ。結局、あともう少し頑張ればマスターできると言い訳を繰り返し、一つの方言に絞ることもできなければ、難しいフスハーと向き合うことからも逃げていただけだったのかもしれない。今回、たった一ヶ月間ではあったが、きちんとした授業を受けてみて、ゴールが見えたからこそ、アーンミーヤをきっぱりと諦めることができたのだと思う。きっと、こちらが「え、アーンミーヤで話してますけど?なにか」という顔をしていれば、誰もフスハーを使用していることに気づくまい。吉本興業にゆりやんレトリィバァという芸人がいるが、彼女の英語風の日本語を話す授賞式ネタと理論は同じである。要はリズムです。心の持ち様です。文法さえ抑えていれば大丈夫。貴方もきっとアラビー・マスター そんな怨念を込めて、こちらのTシャツを制作いたしました。是非、アラブの方とお会いになる際はこれを着て、「そんなのアラビア語じゃないよー」と鼻で嗤われてきてください。私が報われます。
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