昔話風の創作短編集です。 夜守りと書いて、ヨマモリと読みます。 象徴的な森の話です。 小さな話が寄り集まって二万文字くらいあります。 鬼とか山姥とかが退治されない話が多いです。 眠れない夜に眠剤で溶けた脳みそで即興で作りためたものです。 居場所のないものたちへ、したたかに自由に生きろと思います。 本文より引用 〈昔々、蛇の肉を魚と偽って売る女がいました。ときどきは秘密が露見し糾弾されることもありましたが、問題はありませんでした。蛇の肉は魚と比べても遜色なくおいしく、栄養もありましたし、女は毒蛇の毒にもよく通じていました。細かいことにぐちぐちと文句をつけてくるケツの穴の小さい輩は消してしまえばいい。そういうわけで蛇売の商売は安泰でした。〉