「喪失と諦めは、遅かれ早かれ、生きていたら必ず降りかかることだよ。 手に入らないものを諦められないあなたはかわいいけれど、人間の美しさはどうしようもないものを受け入れて、それでも生きていくところにあるのだと。最近俺はそう思うんだ」 ケニアの首都・ナイロビにある大きな屋敷に住むダニエルは、英国貴族グラニスター侯爵家の次男で、大学1年生。12歳年上の学芸員のリュカと、運命の再会を果たし恋人になったばかりだ。 2018年のクリスマス休暇。ダニエルは夭逝した大伯父の手記を見つけ、時を同じくして大伯父の夢を見るようになる。彼は恋人に誘われ、大伯父の最期を知るために、伝説と信仰の国・エチオピアに向かう。 首都・アディスアベバでのんびりできたのも束の間、ふたりは別行動に。恋人と離れ、天国にもっとも近いと言われるラリベラの岩窟教会に向かったダニエルは、道中様々なトラブルに巻き込まれ……。 『アフリカ夜想曲』アーサーの玄孫・ダニエルとその恋人リュカが、生涯を通じて真実の愛と避けられない運命について知ってゆく物語。 リバ、主人公の恋人の過去の恋人との話など地雷要素あり。性的なシーンもあり。 文庫サイズ、358ページ 電子書籍と同じものです。