---- 「では、真冬にティー・シャツを販売しても、良いというのですか。」 エヌ氏が驚いて尋ねました。 エフ氏は「いかにもそういうことです。」とこたえると、一瞬のうちに、さかな・ティー姿になってみせ、「バーチャル・リアリティの世界には、春夏秋冬はありません。いつでも、好きな格好で暮らすことが出来るのです。」と、誇らしげに続けました。 「それは、すごい。いつだって、すぐにさかなになることができるのですね。」 「その通りです。しかも、現実のものと同様に、ネイビー色のさかな・ティーも収録されているのです。この機を逃しては、きっと後悔しますよ。」 エヌ氏は身を震わせ、やがて意を決して尋ねました。「それでこれは、おいくらなんですか。」 エフ氏は、勝ち誇ったように言い放ちました。 「こんなものは、タダです。もしあなたが、どうしても支払いたいというのであれば、幾らか支払って頂いてもかまいませんよ。」 エヌ氏は感激し、すぐさま下記にある重要事項と利用規約を熟読し、無料版のさかな・ティーをダウンロードしました。テクスチャー・ファイルをしげしげと見やりながら、エヌ氏は尋ねました。 「ところで、我々が先程から身に着けている、この妙に大きな眼鏡のようなものは、どうやって手に入れるのですか。」 エフ氏は、ニヤリと笑って答えました。 「四万円お支払いいただければ、おひとつお譲りしましょう。」 ---- 無料版と100円版がありますが、内容に差異はありません。 物理版（ https://tanaken.booth.pm/items/2187012 ）も宜しくお願いします。 ※ 利用にあたっては下記利用規約をご確認ください。