「金曜日、枕元にランタンを置いて寝ると異世界に行ける」 その都市伝説が出回り始めたのは、あなたが小学生の頃だった。 そしてこの都市伝説が今頃になって再熱し出したのは、インターネットのオカルト版への書き込みによるものだった。 「夢の中で見たこともない怪物に出会った」 「食べたこともない料理を食べた」 「美しい場所だった」 「ランタンを置いて寝た知人が行方不明になった」 信憑性の欠片もないそれらは瞬く間にSNS上に広がり、あなたの周囲でもそれは囁かれるようになった。現にここ最近で、行方不明者の数は急増しているらしく、該当する書き込みが運営やサイバー警察に削除される始末となっていた。 そしてあなたは友人の一人から、その都市伝説に挑まないかと持ち掛けられたのだ。