ハーヴェスト(高原あふち/著)
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第25回 日本自費出版文化賞において小説部門賞を受賞しました。 著者:高原あふち 〔収録作品〕 ・さなぎ ・楽園 ・ギフト ・シェルター ・水族館の熊 ・ハーヴェスト ・半径二〇三メートル僕イズム ・苔の花 ・人間病患者
ハーヴェスト(あらすじ)
高校三年の「僕」=はやとは、在日韓国人二世の父と快活な母のもとで育った。音楽と美しい物を愛し人望も厚い父だが、心には「地雷」を抱え、時おり激しい孤立と攻撃性に沈む。その軋轢が頂点に達し、母子は一時、祖母の家へ避難する。やがて父は激痛に倒れ、検査で肺がんと診断。闘病ののち、母子に謝意と愛情を残して逝く。はやとは自らの低身長の検査入院や受験をくぐり抜け、父の生と死を見つめ直す時間の中で、「父の戦いざま」への敬意と、自身が「ダブル」として生きる誇りを獲得する。 ――喪失の季節を越えて、母子が「収穫(ハーヴェスト)」したのは、壊れない絆と新しい自己認識だった。
