ピンポンダッシュ
- サンプル版0 JPY
- 販売版(全編)380 JPY
※Amzon Kindle書籍として販売されているもののPDF版です ※サンプル版をダウンロード頂くと、作品を長めに(全体の1/3程)ご確認頂けます ――ラケットがボールを捉えた瞬間、抜けるような心地良い音が響いて白い軌跡が相手のコートに伸びていった。 スリースター、三ツ星の描かれた公式球。その回転がスローモーションになる――。 卓球に生きることの全てを奉げる少年、翔生(しょうい)を中心に、彼を取り巻く人々の苦悩や喜びを描いた群像ドラマ。 中学二年生の真田翔生(さなだしょうい)は、一年生で県大会出場を果たしたほど卓球の実力を持つ一方、練習にストイックになるあまり卓球部内で孤立をしていた。 「夏の大会に向け個人戦にもっと集中したい、団体戦なんて面倒臭いだけだ」 そんな気持ちを隠そうともしない翔生は、団体戦で一年生の後輩、祐樹(ゆうき)とダブルスを組まされてしまう。 「ぼく先輩の卓球が好きです。先輩と打ち合っていると自分も強くなった気がするんです」 卓球に一途でほがらかな性格の祐樹と練習を続けていくうちに、次第に何かが変わり始める翔生。だが、思いもよらぬ事件によって翔生の卓球は翻弄されていく――。 定年間近で愛妻家の卓球部顧問ササジイ、バツイチ出戻りの卓球用品店の女店主、元卓球選手で酒に溺れる父、翔生の実力に嫉妬心を抱く卓球部の部員……。それぞれの想いや人生が翔生の卓球を通して浮き彫りになっていく。 「スポーツが人を成長させるなんて誰がいったか知らんが、眉つばだね」 「なんです? それ」 「死んだばーちゃんがよくいってたのよ。私もそう思う。卓球がいくら上手くなったって、生きるのが上手くなるわけじゃないもの」 それぞれに悩みを抱きながら、それでも前を向いて走り出そうとする少年達。 読後に熱い気持ちになれる青春ブロマンス小説です。 文庫本1/3ほどの作品です(原稿用紙換算 91枚) ※表紙イラスト:土狼弐(どろつ) Twitter:@d_raw_two