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長州萩の算術家、長嶺豊之助のシリーズの第四作。 今回はページ数を増やし二部構成になっています。 ********** 第一部 安政2年「黒船算士」の続編。江戸から帰国した長嶺豊之助の葛藤と現実、そしてアジア列強の進出の政治的考慮を背景に幕府の医学から兵学を中心にした西洋文化の受容が始まり、期待を寄せる和算家の姿を描いています。 第二部 嘉永五年中国地方、長州藩領を襲った大規模な水害は各地に甚大な被害をもたらした。 堤防が切れ、洪水は人家家畜田畑を流し、その後に訪れる米価の高騰と、農民層に困窮と飢饉という非情な影を藩政に落とそうとしていた。 「水害は藩の衰退を左右する」 治水対策に取り組んだ萩藩の為政者、布施虎之助。 同じく領内の課題であった椹野川氾濫の危局を講じ、信念を貫いた林勇蔵を通して、為政者の在り方、大地との戦いを描いています。 ************ 今回は華やかな幕末長州藩の中でも、ひとつ前の世代、民政に尽くした無名の人々を描いているので特に地味めのテーマだと思います。 しかしながら、黎明期の藩政改革に成功し、その経済力から軍事力を得ました。それが原動力のひとつとなり得たからこそ、幕末の長州藩の騎虎の勢、尊攘思想につながったのかと思います。 もしか興味を持っていただけたら嬉しいです。 B5サイズ/p.66/オフセット印刷 ※本作は個人の解釈による創作であり、フィクションです。 ※なつやすみの宿題を忘れてきた感じに、今回算術シーンはありません…。すみません…