シュテルン廃墟アンソロ寄稿『Monolog SternBild』
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2020/06/01発行のシュテルンビルト廃墟アンソロジー『墟巷の夢』に収録された中編『Monolog SternBild』の再録です。 オリジナル色が強い内容なので長く寝かせてありました。 時は23世紀。猛威を振るい続ける環境変化に追い立てられるようにして、人類の九割は、衛星軌道に建造された巨大宇宙船群に避難することを選んだ。その百年後――滅びた彼らの遺伝子と胚を管理しつつ人類の復興を夢見る宇宙船管理AIたちは、ある計画に着手していた。 タイバニ世界線の未来を描くSFです。CPはありません。名前のある原作キャラは1人しか出てこないので。NEXTと蛇の始まりを妄想したらこうなったといいますか…ヒトの宿痾である「戦争」の果ての物語でもあります。お口に合えば幸いです。 宇宙船を管理する基幹システムの管理下でヒトのために働くAIたちがキャスト(係員)と総称されているのは、ででにーらんどに倣いました。 登場人物(ヒトではなくAIですが) ◆五〇七号(七号) 情報管理官。ふだんは無性ヒト型の外装(シミラー)を使用する。改変人類(エージェント)の生活史の設定と行動監修、メンタルカウンセリングを担当。趣味は戦争の研究。 ◆八〇九号(九号) 情報管理官。つねにワタリガラス型のシミラーを使用する。宇宙船群の共有仮想空間「カーゴホールド」内に住む仮想人類「パッセンジャー」の監視とカウンセリングを担当。趣味は七号の観察。 ◆四二六号(六号) 合成生体シミラー(実体をもたないAIが物理空間で活動するために操作する生身の義体)の管理とメンテナンス担当。ざっくりヒト型の上半身にクモ型の下半身を接続した多腕多脚型の機械シミラーを使用して活動している。発声装置をもたないためにキャスト用ネットワーク経由で話す。七号の昔なじみ。 表紙画像:Allison Saeng from Unsplash