水の都の裏街に『客が望むものを何でも、どんなものでも売る店』が存在する。 その店は銀髪の怪傑こと名無しの魔術師が経営していて、何処へ行っても決して手に入らない未来と終わりを金と引き換えに客に売ってくれる。 人生に苦しみ死に急ぐ男アレッシオは魔術師を訪ねて死に至る水を購入する。同じく死のための商品を求めてやってきた舞台女優ジラソーレへの葛藤と苛立ちを過ぎて、アレッシオは本当の望みを知る。同じものを購入した二人の行き先は何処なのか。 仮想西洋ダークファンタジー。 文庫286ページ。