ミルテの花
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2016年冬コミ新刊。魔少年ビーティー。 麦刈公一×ビーティー。12頁、コピー本。 短編を収録した本になってます。 ――― 僕、麦刈公一の家では毎年必ず手編みのセーターが家族分用意される。 専業主婦であるお母さんは、家事の合間にお父さんと僕と自分の分を編んで毎年一緒に写真を撮っていた。毎年編んでいるためか年々その技術は上がっていて、去年のセーターに関しては観察眼が鋭く、頭の切れるビーティーでもお店で売っているセーターだと思ったぐらいだ。 ビーティーが褒めていたよと伝えたところ、お母さんはとても喜んで、なんと今年はビーティーの分まで編んでしまったのだ。 簡単に編んでいるのをいつも見ていたけれど、家庭科の授業で初めてした編み物はとても難しくて驚いた。あんなに難しいものを毎年、必ず準備してくれるお母さんは本当にすごい人なんだと改めて思った。 そして今日は、お母さんが編んでくれたセーターを着て、お母さんが編んでくれたビーティーのセーターを持って来た。 いつもみたいにチャイムを鳴らす前にビーティーのおばあちゃんに出迎えられて、二階へと向かえばなんだか難しい顔をしているビーティーがいた。 「こんにちは、どうしたの? 難しい顔、苦虫をつぶしたって顔だ」 「ああ公一。こんにちは。手紙を書いていてさ」 「手紙?」 ―――