【あらすじ】

　田舎町で生まれ育った中学生のシホは、いつも窓の外を見つめながら、都会での生活を夢見ていた。そんな彼女の日常は、ある日、都会から転校してきたマドカとの出会いによって変わり始める。 　マドカはシホが憧れる世界から来た少女で、二人はすぐに親友になる。放課後、図書室での会話を通じて、シホはマドカが都会の生活に疲れ、田舎の生活に新鮮さを感じていることを知る。 　夏休み、二人は田舎町を一緒に探検し、田んぼのあぜ道を歩いたり、川で泳いだり、夕焼けを眺めながらたくさんの思い出を作る。マドカは、都会では味わえない自然の美しさや、人々の温かさに心を打たれ、シホもマドカを通じて、自分の住む町の良さを再発見する。 　夏の終わりには、二人は約束を交わす。どんなに時が流れても、この夏の思い出を大切にし、お互いの存在を忘れないと。シホは気づく。彼女が本当に求めていたのは、キラキラと輝く何かではなく、心が通う友情と、温かい人々の中での生活だったのだと。 　高校を卒業し、大人になる準備をする中で、二人はそれぞれの道を歩み始めるが、心の中ではいつも一緒。そして、シホはマドカとの再会を心待ちにしている。