
■本書の内容 Vim やその後継として登場したNeovim は、開発者や編集者にとって強力なテキストエディタツールとして広く認識されています。 その可能性はテキスト編集にとどまらず、カスタマイズ性と拡張性を活かすことで、全く新しい用途に応用することができます。テキストエディタとは、単にテキストを編集するツールに留まらず、思想でもあり、統合環境や万能ツールでもあると言えます。 本書『Vim で動画を見よう! Neovim で作る最強の動画プレイヤー)は、その一例として、Vim を使って動画を視聴するための環境構築と活用方法を徹底的に解説します。 ■本書の目的 本書の目的は、Vim やNeovim の持つ無限の可能性をハックして引き出し、ターミナル上での動画視聴という新しい体験を提供することです。 通常、動画視聴といえば専用のプレイヤーやGUI アプリケーションを思い浮かべるかもしれません。しかし、Vim の拡張性とターミナルの機能を組み合わせることで、テキストエディタ内で動画を再生するというユニークな環境を実現できます。本書はVim のハックを通じてこれを学んでいく楽しい本です。 ■本書でできること 本書では、以下の内容を学ぶことができます。 ・DRCS-Sixel を用いた動画再生:ターミナルの画像表示機能を活用し、Vim 内で動画を再生する方法を解説します。 ・キーマッピングによる再生コントロール:再生・一時停止や早送り、巻き戻しなど、動画プレイヤーとしての機能をVimおよびVimスクリプトで実装します。 ・外部プレイヤーとの連携:mpv やVLC などの外部動画プレイヤーをVim から制御し、音声再生や高度な再生機能を利用します。 ・アスキーアート動画の再生:テキストエディタとしてのVim の特性を活かし、アスキーアートによる動画再生方法を紹介します。 • 機械学習を活用した品質向上:機械学習や音声認識技術を用いて、アスキーアート動画の精度を向上させたり、テロップを自動生成する方法を探求します。 ■本書に込めた願い 本書は、Vim/Neovim を使った動画視聴という一見風変わりなテーマを通じて、テキストエディタの新たな可能性を追求するものです。技術的な挑戦と創意工夫およびハッキングにより、日常のツールがどれだけ拡張できるかを体感していただければ幸いです。読者の皆様が本書を通じて新しい発見や技術的な成長を遂げられることを心より願っています。 ■著者 齊藤貴義(@miraihack)