『太祖皇帝、名をエルシアン、中名をクリス、国号シタルキア、姓をエリエアルと称す。諡号は聖極斉天紅神皇帝、諡名を聖天帝と称す。シタルキア王国第十七代国王・戒前王が第二十二子にして第十三王子、母の名は未詳──』 歴史に大きく名を輝かせながら神話と伝説の中に消えたシタルキア皇国初代皇帝・エルシアンの奇跡と行程を読み解きあかす。異母兄弟の確執、「不幸の魔女」の呪い、そして赤い翼の少女。 彼らの間に横臥する、愛と憎悪が運命の輪を回す──異世界架空歴史物語！ この巻は1部1巻となります。 ■あらすじ 　シタルキア王国、北部の要衝ラストレアで学生生活を楽しんでいるケイ。ラストレアの学院に王太子アスファーンが視察に訪れることになり、ケイは案内役の学生に選出されるが、その話を聞いてから親友・エルシアンの様子がおかしい。異母兄弟でもあるアスファーンとエルシアンの間に横たわる暗い川の存在にケイは疑問を抱くが、エルシアンは回答を拒否し、やがて二人の間に少しづつ距離が出来はじめる。 　精神の均衡を崩し、完全に闇におちていこうとしたエルシアンを救ったのは、口をきかない漢氏の男だった。 「許して、ですって？　王子、あなたは間違っている。許してやるのはこちらのほうですとも」 －－－－－－－－－－－－－－－－－－ 無料配布本が付きます。イベント等で既にお手元にある方は購入時に不要の旨をご入力下さい。