猫屋奇譚 吉か凶か未だ分からず
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鬼にあふことシリーズ3弾目。本文68頁 妖刀二藍に焦点を当てた3話収録。秋高し・吉か凶か未だ分からず・青碧 ある夜、鬼の一族が襲撃を受ける。そのさなかに人形が持ち出された。 その後、人形は寺の最奥に仕舞われていたのだが。 「人形を引き取りに来た」 長い時を経て、晴に妖刀二藍、そして陰陽師橘が動き始めた。 本文より抜粋 僕は鬼を見た。肩よりも長い黒髪を後ろで固く結び、鬼面を付けた鬼が松明の明りに浮かび上がる。 周りに群がる鬼を次々と斬り倒し、鬼面に着物に返り血が飛ぶその中で刀だけが青白く闇に浮かび、まるで細い三日月が空から降りて来たようだ。 もう一人、仲間だろうか。同じく周りに群がる奴らを斬りながら鬼ではない物の怪が走り込んで来た。 「晴が呼んでいる。呼びに来たんだ」 「あっちはもう良いのか」 「それは分からない。ただすぐにお前に来てほしいって。自分は月影様の店の者だ。手助けをしに来た」 彼らのやり取りを聞きながら窓から庭へと飛び降りる。 僕は鬼を目に焼き付ける。赤味を帯びた黒い両目に口角を上げたきつい口元。 僕の声は、この場から逃げようと無我夢中の仔供には聞こえない。連れ出されてしまった。 鬼にあふことは連作で緩く繋がっていますが、単体で読めます! 秋高しは小説家になろうにてアップしています。本版は加筆修正しています。かなり直しました。
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