【3Dモデル】異常物体"皮縫いのくま"
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【異常物体調査記録:AO-247 “皮縫いのくま”】 ■ 分類 未確認遺痕物質 ― 皮膚組織を織り込んだ縫製品 ■ 発見経緯 20XX年春、廃墟となった児童養護施設の地下倉庫にて偶然発見。床には乾いた血痕とわずかにまだ乾ききっていない血が散らばり、その中央にひとつ、この“皮縫いのくま”が置かれていました。 ■ 外観・構造 ・高さ:約30cm、手足を広げたテディベア型 ・表面:すべて人間の表皮組織で構成。細かな毛穴や皮脂腺の痕跡が鮮明に残る ・内部:綿素材等は一切なく、皮膚層同士が不規則な縫い目で接合 ・目・鼻:金属製の円形プレートが埋め込まれている(由来不明) ■ 異常現象 1. 【自発的出血】 72~120時間ごとに体表の縫い目や関節部分から鮮血が滲出。数十ミリリットルに及び、床面に血溜まりを作ることもある。 2. 【組織再生】 血痕を除去しても、約48時間以内に元の肌質と縫い目が完全に復元。内部機構は未解析。 3. 【精神的共鳴】 物体近傍にいると心拍数や脳波に子守唄のようなリズム変化が現れ、「誰かに見守られている」感覚を覚える被験者もいる。 ■ 緊急医療利用事例 ある夜、交通事故で大量出血した搬送患者が到着した際、病院の輸血用血液在庫は底をついていました。患者の容態は急速に悪化し、通常の手段では救命が困難と判断されたため、担当医は“皮縫いのくま”を一時的に開封。わずか数分で体表から数百ミリリットルの血液を採取し、すぐに患者へ輸血を実施しました。その結果、患者は危機的状況を脱し、後日無事に退院を果たしています。採取血液にも異常は認められず、本事例は“皮縫いのくま”の新たな可能性を示すものとして医学界に衝撃を与えました。 ■ 取扱・保管注意事項 - 温度管理:4℃±2℃の専用冷蔵庫内にて密閉保管 - 防護装備:ゴム手袋・防護服・マスクを必須着用 - 出血時:血液は速やかに回収し、バイオハザード廃棄容器へ移送 ―――――――――――― 「このくまが静かに呼吸しているように感じました。遠い記憶の子どもたちの笑い声が聞こえて……とても切なくて、でも消せない声でした。」