夜と深海魚
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未来短歌会陸から海へ欄所属 吉村桃香の私家版歌集。 20歳くらいから30歳くらいまでの十年を一冊にまとめました。 A5サイズ160ページ、1ページにつき二首掲載。既発表作280首くらい。 自選十首 訳もなく泣きたくなった夜は君に借りっぱなしの詩集を開く 葉緑体透ける正午にまだ僕は理科準備室から出られない 今ここが宇宙(そら)の中心 さみしいという言葉には引力がある 生活に祈りは宿る呼ぶ声に蝶々結びにそしてあなたに でもそれが君の登校拒否理由 教室に水奔るように陽 笑いながら目覚めるあかご何度でも君の額に朝陽はおちる 病休は白夜のように続いてる本読み終えたならば返して 抱き締めているのは虚 耳と耳、擦れてもなお雨を見ている 鳥の絵を描いてわが子にこれは羽、羽の根だと示す仄ぐらき指 星雲を遠く眺めて私は私のため大根を買う