燐音 -人外×人間アンソロジー-
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A5/140P/1000円/2025.6.1 人と人でないものの関係性をテーマにしたアンソロジー。 執筆者7名、すべて新作読切です。 雨乃ゆん『ぼくとヨルのひみつの森』 怪物が出ると噂される小さな森で、ひっそりと暮らすアルバとヨル。しかしヨルは、アルバにどうしても明かせない秘密を抱えていた。森に潜む怪物の正体とは? 何も知らない冒険者たちの末路は……。願うのはひとつ──共に生きること、ただそれだけ。 緒方卯弥『マイベストフレンド』 たとえ種族が違っても、気持ちは通じ合えると知った。君のことならなんでもわかる、これからもずっといっしょにいられる。──そう信じていたのに。大切な友達を理不尽に奪われ、少年は誓った。絶対に君を、取り戻してみせる。 紺野ゆきひろ『水底の灯りを知らない』 最初はただの好奇心だった。孤独には慣れていたはずなのに、初めて触れたこの心地良さを手放すのは惜しいと思ってしまったのだ。──だから、契約をしよう。互いの利益のためだからと、ほんの少しの言い訳をして。人と神霊、長い旅路のはじまりの話。 たしなみがい『不透明な真相』 平穏に見える日常の隙間から、じわりと侵食してくる『それ』。奪った者と奪われた者。……目の前にいるのは果たして本当に、あなたの知るその人だろうか? 目に映るものだけが、真実だとは限らない。 黎羊『夢浚-ゆめさらえ-』 夜ごと悪夢に苛まれ、心身を病んだ少年を救ったのは、人の夢を糧とする生き物だった。常に傍らに寄り添い、変わらぬ姿のまま微笑み続けるその生き物は、今宵も甘く優しい声音で囁く。何度だって、助けてあげる──。終わらないナイトメア・メルヒェン。 ろっこ『ワンダータイムの刻の夢』 刻の遊技場・ワンダータイムに迷い込んだ少年ミウは、案内人メアに連れられ楽しいひとときを過ごすが、心のどこかに欠落も感じていた。やがて明かされるワンダータイムの秘密を前に、少年が選んだ答えは──。今、大観覧車が忘れられない記憶を刻む。 水瀬晶『かみさまのいるところ』 信仰を失い、消えかけている守り神を繋ぎ止めたのは、孤独を抱えた少年だった。密かな交流を重ねながら、少しずつ力を取り戻してゆく守り神だったが、その胸には過去の悲劇が痛みとともに去来する。