家路の途中、探索者は路地の向こう側で赤く光る提灯を見た。 　囃子を交えた独特の音楽はそれが祭りであることを教えてくれる。 　――そして気がつくと、あなたはその祭り会場の中にいた。 　賑やかな明かりと音楽。漂う食べ物の香り。 　いつの間に来てしまったのかと戸惑うあなたに、一人の男が声をかけてくるだろう。 「こんばんは。綺麗な月夜ですね。お祭りを見ていきませんか？」 「私の言葉は通じますか？わかりますか？理解できますか？それなら良かった」 　布で顔を隠した男。その男が言うには、今は出入り口を閉めてしまったので、再び開くまでの間、全て無料なので祭りを見ていくと良いだろうと。 　ただ、赤い革紐を身体のどこか見えるところに付けていてほしいと。 　さて、この祭り会場にはあなたと同じように迷い込んだ人が何人もおり、赤い革紐を付けている。 　会場内には食事処、的当て、釣り、休憩所、見世物小屋とあり見て回る。 　しかし、この祭り、何かがおかしい……。