擦り減らされたその隙間に、ずるずると入り込んでくる何か。 それが所謂『神』と称される何かなのだろう。 『自分』という存在は、到底適うことを許さない強大な存在に簡単にすり潰されてしまうのだろう。 微かに残っていた気がする意識が暗闇に落ちて行く。 肉体が別のものへと、細胞から塗りつぶされていく。 「なに諦めようとしてんだよ」 聴覚から、急激に『自分』という存在が再構築されていく。 『自分』を『自分』だと認識させてくれるその声が、存在が、不敵に笑って自分に手を差し出していた。 ――その白肉を、黒毒で溶け