あらすじ

技術が飛躍的に進歩したある国では、高知能の機械人形にさえ人権が認められる一方で、それに及ばぬ大衆の価値は著しく低く見なされていた。 己の価値と名誉を証明すべく、新たな技術の開発に明け暮れる人間たち。 そんな中、とある企業が『別の世界』への通行技術を発明し、移住計画を打ち出す。 ――治安は良くとも食に乏しい世界へ向かう者。 ――食は豊かだが技術に劣る世界で生まれ育った者。 ――そして、技術に秀でながらも治安が最悪の世界で陰謀を巡らせる者たち。 異なる価値観と環境に翻弄されながらも、人々はそれぞれの生き方を選び取っていく。 境界を越えて運命が交差していく、ＳＦ群像劇。