成人してからは、先どりした怒りのパワーじゃなくて、いままさに怒髪天のパワー、みたいなのがよく湧いてくるようになった。それらを全部社会のため、正しさのために使おうとすると、すごく疲れる。だからわたしはこのパワーを、誰かのためにも使いたいけど、くだらないことでも発露したい。（大野理奈子「若葉の騒ぎを」） けれどいつでも全力でだれかのために走らなくても、いい。走りたいときは走ればいいし、休みたいときは木陰でお昼寝したっていいと思う。どのあなたも、私は好きだ。応援している。ひっそりと。（塚田千束「差し出すように」） 大野理奈子と塚田千束の交換エッセイ１０編＆短歌五十首×２セット収録。 （A5/38P/2023年7月9日　第8回文学フリマ札幌　発行）