山奥にひっそりと佇むアトリエから届けられる、闇語りの朗読集。 日常の隙間に潜む違和感、夢と現実の境界、存在の不確かさ。 一篇ごとに異なる恐怖を描きながら、聴く者の心に静かに爪痕を残す。 あなたは最後まで、耳を塞がずにいられるだろうか。 ・『静寂が破れない』 音は、世界を確かめるための証だった。 しかし、その音が――どれほど待っても、どれほど叫んでも――返ってこない。 耳に届くのは、途切れることのない静寂だけ。 破ろうとしても破れない、終わりなき沈黙の恐怖。 聴く者を孤立の深淵へと引きずり込む、音なき朗読。 全８ページ（内、演技ポイントで１ページ使用） ・『眠りは覚めない』 夢は安らぎのはずだった。 だが、目覚めようとするたびに深く沈み、出口のない夢の迷宮に囚われていく。 眠り続ける恐怖と、覚められない絶望。 聴く者を静かに絡め取る、心理ホラー朗読。 全７ページ（内、演技ポイントで１ページ使用）、１９３４字 ・『名は呼ばれない』 人は名前を呼ばれることで、存在を確かめる。 だが、誰も私の名を呼ばない。 名簿からも、記録からも、そして自分の口からも――名が消えていく。 名を失うことは、存在を失うこと。 世界から孤立していく恐怖を描く、実存的ホラー朗読。 全９ページ（内、演技ポイントで２ページ使用）、２２５３字