davinci resolve DCTL『Sat Comp』
- Digital500 JPY

このDCTLは、DaVinci Resolveのカラーグレーディングにおいて、彩度が上がりすぎてしまうのを対策、制御するためのツールです。 一般的な「彩度 vs. 彩度カーブ」でも同様の調整は可能ですが、本DCTLはより強力かつ確実な彩度圧縮を実現し、破綻のない自然なルック作りをサポートします。 また、彩度 vs. 彩度カーブでヒストグラムの表示を出力するか、ベクトルスコープで確認することで、圧縮効果を直感的に把握できます。 カラースペースをDWG(DaVinci Wide Gamut)に変換してご利用ください。 ----------------------------------- Saturation Compressor v3.0 パラメーター解説 1. 前処理 (Pre-Saturation) Pre-Sat Boost (P_A) は、このコンプレッサーのコア機能が開始される前段階で、入力信号の彩度をブーストします。このパラメータを使用することで、まだ圧縮がかからない低い彩度の信号を意図的に持ち上げ、次のThreshold(閾値)を事前に超えさせることができます。結果として、圧縮をより早く、強く作用させることが可能になります。 2. コア圧縮処理 (Core Compression) Threshold(閾値/P_B) は、彩度圧縮が適用され始める基準点を設定します。この値を超える彩度を持つピクセルに対して、彩度圧縮が開始されます。特にこのv3.0では、スライダーの低い値域(0.0〜0.12程度)で非常に繊細なコントロールが可能なように、非線形(五乗)のマッピングが施されており、低彩度域の調整がしやすくなっています。 Ratio(比率/P_C) は、圧縮の強さを決定する最も重要なパラメータです。例えば、Ratioを2.0に設定した場合、Thresholdを超過した分の彩度は1/2に圧縮されます。値が大きいほど、彩度に対する制限が強くなり、結果として過飽和を防ぐ効果が大きくなります。 Knee(ニー/P_D) は、圧縮が開始される境界線(Threshold)を緩やかにするための範囲を調整します。この値を大きく設定することで、圧縮が急激にかかってしまうことによる不自然な色の変化や遷移を防ぎ、より自然で滑らかな仕上がりを実現します。 3. 後処理 (Makeup Gain) Makeup Gain(メイクアップゲイン/P_E) は、圧縮処理によってハイエンドな彩度が抑えられた結果、全体的に彩度レベルが低下してしまった場合に、それを補正するためのゲイン調整です。最終的な彩度バランスを整える際に使用します。 4. 最終調整 (Density) Density Mix(密度ミックス/P_F) は、圧縮処理後の最終的な色に対して「深み」や「リッチさ」を加える、特殊な濃度調整の適用度を制御します。このスライダーを上げると、出力輝度をわずかにパワー関数で下げつつ、彩度を同時にブーストした調整色が生成され、圧縮後の元の色とブレンドされます。 Density Sat Boost(密度彩度ブースト/P_G) は、Density Mixによる濃度調整が適用される際に、連動してブレンドされる彩度ブースト量を制御します。Density Mixで輝度を下げた際に色が沈みすぎるのを防いだり、より豊かな色相を強調したりするために使用します。 これらのパラメーターを組み合わせることで、ハイライトの彩度を抑えつつ、中間調やシャドウ部に深みのある色を維持する、高度な彩度管理が可能です。 ----------------------------------- ※ 本ツールを使用することによって生じたいかなる損害、責任、問題についても、当方は一切の責任を負いません。ご自身の責任においてご使用ください。
