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小川くんが泡をふいて倒れた。横向きにうずくまった彼の体はもともと小さいのにさらに小さく、色白の顔はさらに白くなっている─── 初めての事態や周囲のさまざまな反応に困惑する優花は小川くんの家にお見舞いに行くことになり……。 「『アンソロジスト』から生まれた文章講座」にて執筆した“〝短編小説〟です。 田畑書店の「ポケットアンソロジー」という商品に挟めるサイズになっています。 読者、講師の方たちから、 「小学生の心情、一人一人の政治が鮮明に描かれている」 「長谷川集平の『はせがわくんきらいや』を思い出した」 などの感想をいただきました! 〈冒頭〉 小川くんが泡をふいて倒れた。横向きにうずくまった彼の体はもともと小さいのにさらに小さく、色白の顔はさらに白くなっている。口は半開き、端から半透明のプクプクしたものが出てはパチンと消え、出てはパチンと消えていく、ズレた瓶底眼鏡の隙間から見える目は普通の目ではなく、黒目が上に移動し半分が隠れている。一年のころに流行った、白目にする遊びをしているような目だ。 ピアノの演奏が止まり、皆の歌声ではない声が聞こえる。「わっ」「先生!」 「やばい!」「は? え?」小川くんは周囲から遠巻きにされ、ひな壇の上で綺麗に並んでいた列には穴ができていた。

