デルタあるいはエスチュアリー
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《デルタあるいはエスチュアリー》 20篇の現代詩です 表紙をイラストレーターのうめはらももさんにお願いしました B6 無線綴じ 2025.11 刊行 /// 著者 田中ハル 2017年よりTwitterにて140字の詩を書いてきました。特別な活動はしておらず、淡々と気が向いたときに詩の投稿をしています。 ----------抜粋 エスチュアリー 明らかに閉ざされた関係を はさみでざくざくと切ると気持ちいい イエスだけを求めたわたしは 罰せられることを訝しむ あなたの戯言が苦痛でした セイタカアワダチソウの群生した花は一斉に揺れ その見覚えのある景色に眩む 沈降して抉られる地形はエスチュアリー それは緩やかに形成されるの、壊されるの ---------- デルタもエスチュアリーも似ているのに違うものであるように、『あなた』もときに違うものである。『あなた』を想像したりまた別の『あなた』を想像したりする。そういった巡りが三角という鋭利な形に存在すると感じています。 わたしはどの詩でも、『あなた』という存在がひとりのことを指すものではないのだとしています。そして同時に誰のことでもなかったりします。輪郭のない『あなた』に言葉を当てて輪郭を持たせるような気持ちもあります。

