スイス鉄道大全
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スイス。風光明媚な国土のすみずみまで鉄道が敷かれ、車窓から眺める風景は格別です。そして、氷河急行のような有名な観光列車がクローズアップされます。このような断面はスイスの鉄道の大きな魅力です。書店に行くとそのような特集を組まれた本を見ることはたやすいでしょう。 しかし、スイスの鉄道の魅力はこのような側面だけではありません。サービスレベルの高い国鉄、そして近隣諸国に広がるネットワーク、それもまた魅力です。そんなスイスの鉄道全般を扱う書籍はありません。そこで今回、スイスの鉄道に関する書籍を執筆した次第です。内容ごとに章を分け、理解しやすく、かつ臨場感ある紙面にすることを意識しました。 <本書の内容> 鉄道への興味は多くの側面があると思います。鉄道車両、鉄道旅行、鉄道ダイヤなどという側面です。それぞれの切り口から探るほうが良いと考え、テーマ別に章を作成しました。私が特化型の鉄道ファンでなく、バランス型の鉄道ファンという面が幸いしました。 本体に入る前に、スイスならではの風景が楽しめ、かつパターンダイヤで同じ速度の列車が定期に運転されている列車をお伝えすべく、巻頭特集を組みました。 本書を構成するにあたり、「全体から個別」の流れを意識しました。第1章、第2章で全体的な内容を、第3章~第6章で基本的なことがら、第7章と第8章は実践的・個別的内容を記しました。 まず、第1章では「スイスってどのようなところ?」という疑問を解消するために、スイスについて簡単に解説しました。このような解説は同様の書籍にはないと思います。ただし、本書は鉄道に関する内容が主眼ですので、必要以上には深入りしていません。 第1章で示した内容をベースに、第2章ではスイスの鉄道網に関する内容をまとめました。第1章と第2章は旅行で直接役に立たないと思いますが、全体像を把握するのに重要と考え、取り入れました。 第3章ではスイスの列車種別を紹介します。上級者向けのサイトさんでは何の断りもなく、IC、REなどの用語が出されていますが、本章を読むとそのような用語を理解できます。 第4章では旅行するうえで必要な知識レベルの運賃制度を紹介します。「外国ではきっぷを買わないと高額な罰金を払うことになる」などの恐ろしい知識だけをお持ちの人もいるでしょう。正しい支払方法とともに鉄道パスの有効活用方法についても紹介します。 第5章ではスイスの景観路線について紹介します。景観路線についてまとまっている書籍は意外と少なく、そのような意味でも本書は貴重な存在と自負しています。 第6章ではスイスの鉄道車両について紹介します。鉄道車両全形式を紹介するのではなく、車両の使用目的に応じたグループ分けをした後に、それぞれの概要をまとめています。この程度はムック本でも紹介されていると思いますが、個人発行の強みとして、特定の車両の内装を詳細に紹介しています。 第7章では駅について特集しました。駅の基本的な使いかたについて述べ、その後、性質の異なる駅について細かく特集しました。スイスでも主要な駅、都市の駅から観光地の小さな駅までです。また、それ以外もいくつかの駅について、ビジュアルで楽しめる構成にしています。 第8章では実際に列車に乗る様子を伝えました。特急列車、国際列車、ローカル列車と取り上げた列車の性質は多岐に渡っています。列車や沿線の雰囲気を伝える写真を入れるとともに、マイナーな場所であっても目次の後に地図を示すことで頭に入りやすいように工夫しました。 <本書の構成> 本書の究極の目的は、以下の3点です。 ・スイスの鉄道に興味を持ってもらうこと ・スイスを起点として近隣諸国の鉄道にも興味を持っていただくこと ・本書の影響により海外鉄道旅行のなかで「スイスが最も簡単」となること この目的を達成するための工夫を考えました。その結果が以下のレイアウトです。 一般的な横書きの形態を採用しています。多くの数字を扱うため、横書きのほうが良いと判断しました。個人的所感ですが、一般的な書籍も横書きが主流になってくれればと思います。 小説的なテイスト(主観が主体)ではなく、わかりやすい教科書(客観が主体)を目指しました。ただし、味気ない記述にはしないように工夫しました。 また、美しく読みやすい書籍にするよう、配色を工夫しました (具体的には装飾の色相をある程度等間隔に配置し、色調を揃えました)。 巻頭特集以外は紙面を左右に分割しました。 ・左に本文(写真を含む) ・右に補足説明 また、必要に応じ、参考URLやそのQRコードを示しました。 それでは、紙面でスイスの鉄道を大いにご堪能ください。








