短編小説集「かわたれのつき」 かかずらう青春の物語 三篇
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朝風さんはサメに噛まれたことがある。歯形の醜い傷跡がその太ももに咲いている。だから性格が意地悪で、水泳の授業もサボるんだ。 ――「サメハダ」冒頭より 僕は何かに躓いたようにはっと目を覚ますと、天井から一本のりんご飴がぶら下がっているのを発見した。それは満月のように遠近感を欠いてぽっかりと浮かんでいた。 ――「後の祭りに」冒頭より ユリカモメを見ると思い出す。あの鳥に連れ去られていった彼女たちのことを。ユリカモメは冬の乾いた風と共にやってくる。果てしなく広い海を越えて。 ――「ユリカモメが飛んでいく」冒頭より わけもわからず心は囚われ。人や物、思い出にどうしても執着してしまった人物を巡る爽やかでときに苦い青春小説を三篇収録。 =============================== 著者:伊豫冬馬 タイトル:かわたれのつき 内容:青春小説三篇・120ページ サイズ:A6(文庫本サイズ) ===============================
