9割の運送会社が知らない 利益が倍になる物流の教科書 人手不足でも回る会社は「仕組み」で勝っている
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第1章 運送会社が儲からない本当の理由 ■なぜ「こんなに働いているのに儲からない」のか 朝から晩までトラックは走っている。 ドライバーは休みなく働いている。 仕事も途切れない。 それなのに、月末に残る利益はわずか。 あるいは赤字。 ――この状態に心当たりはないだろうか。 運送業界には、ひとつの“危険な錯覚”がある。 それは 「忙しければ儲かるはずだ」という思い込みだ。 しかし現実は違う。 運送業は、構造的に 「走れば走るほど利益が削られる」仕組みになっている。 だからこそ、まず知るべきは努力ではない。 構造そのものである。 ■利益が消える3つの穴 運送会社の利益は、気づかないうちに“3つの穴”から流れ出ている。 この穴を塞がない限り、どれだけ売上を上げても意味がない。 ① 空車の穴(見えない赤字) 最も大きく、そして最も見落とされるのが「空車」だ。 荷物を積んでいない時間。 帰り便がない移動。 待機時間。 これらはすべて“売上ゼロ”でありながら、 コストだけが発生している時間である。 ・燃料費 ・人件費 ・車両減価償却 すべてが発生し続ける。 つまり空車とは、 走るほど赤字を増やす時間なのだ。 多くの会社はここを軽視している。 「仕方ない」 「この業界では当たり前」 そう思った瞬間に、利益は消える。 だが、儲かっている会社は違う。 彼らは徹底して空車を嫌う。 なぜなら知っているからだ。 利益は“運んだ量”ではなく“ムダを減らした量”で決まることを。 ② 積載率の穴(半分しか稼いでいない) 次に大きいのが「積載率」の問題だ。 トラックの積載能力は100%あるにもかかわらず、 実際には50%〜70%程度しか使われていないケースが多い。 これはどういうことか。 本来稼げるはずの利益の半分を捨てているということだ。 同じ距離を走る。 同じ時間を使う。 同じ燃料を消費する。 それなのに、売上だけが半分になる。 これほど効率の悪いビジネスはない。 しかし現場ではこう言われる。 「荷物がないから仕方ない」 本当にそうだろうか? 実はこれは“営業不足”ではなく、 配車設計の問題であることが多い。 儲かる会社は、 「どうやって積むか」を徹底的に考える。 儲からない会社は、 「ある荷物をそのまま運ぶ」だけ。 この差が、そのまま利益の差になる。 ③ 配車ミスの穴(静かに利益を削る) 三つ目は「配車」だ。 配車は運送業の“心臓”である。 しかし、多くの会社ではこの重要な業務が 経験と勘に任されている。 ・近いからこの車両 ・空いているからこのドライバー ・とりあえず回す 一見、合理的に見えるが、 実はこれが大きな損失を生む。 たとえば―― ・遠回りのルート ・無駄な待機時間 ・帰り便が取れない組み方 こうした“小さなミス”が積み重なることで、 1日数千円、月数十万円単位で利益が消えていく。 恐ろしいのは、 これが“見えない損失”であることだ。 誰も気づかない。 だから改善もされない。 結果、会社はゆっくりと体力を失っていく。 ■「忙しいのに赤字」の正体 ここまで読んで、気づいたはずだ。 問題は仕事量ではない。 “仕事の質”である。 運送業は、極端な話―― ・効率が悪い100件の仕事 よりも ・効率の良い70件の仕事 の方が、利益は大きくなる。 それにもかかわらず、多くの会社は 「仕事を増やすこと」に意識を向ける。 これは危険だ。 なぜなら、 非効率な状態で仕事を増やすほど、赤字が拡大するからだ。 忙しい会社ほど儲からない理由はここにある。 ■社長が知らないコスト構造 さらに問題なのは、 経営者自身がコスト構造を正確に把握していないケースだ。 運送業のコストは大きく分けて以下の通りだ。 • 人件費(ドライバー・管理者) • 燃料費 • 車両費(リース・減価償却) • 保険・整備費 • 高速代・諸経費 ここで重要なのは、 これらの多くが**“固定的に発生する”**という点だ。 つまり―― トラックが動いていようが、止まっていようが コストは発生し続ける。 だからこそ重要なのは、 **「いかに効率よく回すか」**である。 売上を増やす前にやるべきことは明確だ。 • 空車を減らす • 積載率を上げる • 配車精度を高める この3つだけで、会社の利益は劇的に変わる。 ■この章の結論 運送会社が儲からない理由はシンプルだ。 努力が足りないのではない。 仕組みが間違っている。 ・空車 ・積載率 ・配車 この3つの穴を放置したままでは、 どれだけ働いても利益は残らない。 逆に言えば―― ここを改善するだけで、 売上を増やさずに利益は倍になる。
