小説 イタガリ
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——イタガリ。 それは他者の痛みや死の苦痛を、自分が実際に感じ取る特殊な体質を指す語。 その塗炭の辛苦を呻吟し幼少期より泣いてばかりだった主人公、ユズキは運命に翻弄されながらも自らの人生を切り拓いてゆく。 時には涙し、時には仲間と分かち合いながら、ユズキは成長してゆく。 ユズキはある時気づく。イタガリは伝染るのだ、と。それも、イタガリの程度が薄まりながら。 そのことに気づいたユズキたちは、イタガリを拡散し、個々の負担を減らすべく奔走する。 イタガリは共感の体質だ、とユズキは断ずる。 どんな者の痛みも知ることのできる、慈愛と艱難に満ちた体質である、と。 しかし——他者の苦痛は己が身をもって味わわねば共感や理解ができないのであろうか? ユズキたちは『理由』を探し始める。自分たちがイタガリであることの理由を——たとい、答えが見つからなくとも。 第17回小説野性時代新人賞二次選考通過作品。 B6 2段組 174P















