【本】存在証明 百合短編小説アンソロジー EGOIST
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5人の作家による百合小説短編アンソロジー。 「存在証明」というテーマを元に、それぞれの作家による解釈で書き下ろした短編小説集です。
「存在証明」アンソロとは?
本アンソロジーでは、存在意義、存在理由……そう言った概念を内包し、広く"自己存在を証明する"ことを"存在証明"と定義。 この曖昧な概念を女性同士の関係性を描く百合作品と絡み合わせ、このテーマを参加作家がそれぞれ自己解釈し、物語を編みました。
仕様
B5・本文モノクロ・二段組み・110ページ ■クリアファイルセット 塩こうじ描き下ろし表紙イラストを使用したA4サイズのクリアファイルです。
参加作家
※五十音順 ・Akeo ・淡乃晶 ・無銘 ・八星こはく ・悠木りん ■表紙イラスト ・塩こうじ
悠木りん『わたしが積んだ石絶対ぶっ壊す女』
わたしがどれほど積み上げても、彼女はそれをぶっ壊す—— わたしには友達も特技もない。運動も勉強もだめ。だから今日も、良いことが起こるおまじないのように河原で石を積み上げる。だけどある日から、同じ小学校の石狩さんがそれを壊しに来るようになった。文武両道、才色兼備。何でもできるのに、どうして意地悪してくるんだろう? ひょんなことからバスケ部に入ってしまったわたしは、仲間と努力を積み上げる楽しさを知って自信を育て始め、石のことも意地悪な女の子のことも忘れかけていた。そこに新しく入ってきた部員は——石狩さんだった。
八星こはく『神様と罪人』
"神様"のために、私はこの身を捧げます—— 暗い路地裏。親の借金のために身体を売るか、いっそ命を捨てるか……。十四歳のリディアーヌに救いの手を差し伸べたのは、グランジュ伯爵家の一人娘オデットだった。銀髪に翡翠色の瞳、男性のような言葉遣いと立ち居振る舞い。メイドとして雇われたリディアーヌは、次第にオデットに心惹かれていき、オデットもまた彼女に心を開いていった。しかし、残酷にもその時はやってきた。女に家督は継げないから婿をとると、父である伯爵は言う。女伯爵を目指すオデットを傍で見守り続けたリディアーヌは、ある決断をする——。
無銘『私はセカイのことが嫌い』
友達、才能、美貌……全てを持っている彼女の輝く瞳に映っていた、たった一つのものは—— 幼馴染のセカイはクラスの人気者。明るく朗らかで、運動神経も抜群だ。教室の隅で誰とも関わらずに本を読んでいるだけの私とは、住む世界が違う。それなのに彼女は今日も、細く脆い一本の糸を手繰って来る。「ひとみ。私、頑張ったよ! だから、いつもの……」。私は「凄いね」と褒めて、セカイと唇を重ねる。その繰り返し。意味なんてない。やがて彼女はウェブ小説を書き出し、頭角を現してきた。私はそれも褒めてあげる。自分が唯一存在できた物語の世界まで侵され始めているのを感じながら——。
淡乃晶『プレイル』
歪んだ関係、歪んだ感情、私はその先に"光"を見たい—— 「それじゃ、これ。今日の分ね」——私は、高校で再会した君島あおいから現金を受け取って相談に乗っている。彼女は、演劇部の先輩から稽古という名の暴力を日々振るわれていた。そんなある日、あおいは私に「本当は殴られるのが気持ちいい。そして、そんな自分が気持ち悪い」と告白した。やがて先輩の暴力は苛烈さを増し、あおいが限界を迎えつつあった時、私は件の「先輩」と偶然出会い、真実を聞かされる。私の背後から、理屈のないときめきと本物の輝きを求める、得体のしれない欲望が頭をもたげてきた。
Akeo『絶対存在サンドリヨン』
「この世界を壊すかどうかを、キミが決めていい」 両親に従うまま、夜まで塾で勉強する毎日を繰り返すアリカ。ある日、「サンドリヨン」と名乗る少女の姿をしたAIにスマホを乗っ取られた。世界を破壊するために造られた彼女は、ネットワークが繋がる限り情報も金融も核兵器も自由自在。そのスイッチにアリカが選ばれたと言う。戸惑いながらも始まった奇妙な同居生活。やがてアリカの世界は色を取り戻し始め、意を決し好きだった絵を学べる大学への進学を母に進言したが、返ってきた言葉は「馬鹿なこと言わないで」。破壊の期限は七日後、クリスマスイヴの夜十二時。






