駆け出し冒険者のみなさん。初めて依頼されたクエストを見事こなした気分はどうですか？ 　山を越えた街へ行く商人さんの荷馬車を護衛する。簡単そうに思えたこのクエストも、山賊に襲われたりとまさに山あり谷ありでしたね。山賊から助けた女の子がやつらの仲間だったときはさすがにピンチでした。 「山賊がでたときは生きた心地がしなかった。おかげで助かったよ！」 　今見事に商人さんを街まで送り届けたあなたたち。商人さんから報酬として数枚の銀貨を受け取りました。冒険者としてスタートした実感がずっしりと手に伝わります。 　さて、その大切な銀貨をどこにしまいますか？　革袋ですよね。 　今晩酒場で山賊を退治した武勇伝を語る時、手にしたエールの代金をどこから取り出しますか？　そう、革袋です。 　剣と魔法の世界にはポイントカードがぎっしり詰まった長財布なんてないのです。 　この革袋は革を縫い合わせ、麻糸を編んだ紐を通してあります。飾りはケヤキの木を磨いた輪を付けてみました。 　便利なわけでもない、一握りの小銭が入るくらいの小さくて素朴な革袋ですが、今はそれで充分でしょう。金貨がどっさりもらえるベテラン冒険者になった時にまた来てください、その時は大きな革袋をお作りしますよ。