古の英雄譚
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少女の故郷は、瞬きの間に凍った。 霊峰マジュヒックの麓、ベルフ村に住む少女ラウは旅を余儀なくされる。全ては、世界に漂う妖精が一因となる氷を溶かす力を持つ、南の果ての森に住まう魔女に会うために。そして、村人と実りごと凍った村を救うために。 道連れの一匹は、魔法の力添えを経て繋がる《朋番》の雌狼ミシャ。 背に弓を、腰に剣を、瞳に使命を。一人と一匹、予断も許さぬ雪中行軍が始まる。 極寒の旅路に出会う多種多様な民、妖精、自然を統べる大妖精。――そして、魔物、魔族、魔王。 狼頭を持つ灰色の王と、炎を纏う赤眼の魔女。二つの出会いが、戦いが、ラウの人生を大きく狂わせてゆく。 魔王、魔女、そして《英雄》 古き世から未来へ、幾度も改竄を繰り返せども色褪せぬ、誰かの高祖の英雄譚、開幕。 そして少女は知るだろう。 《少女は少年として生き、魔女として死ぬ》 あまりにも明確な予言の真意を。