「半径5キロメートルの終末世界」
おそ一/全年齢
文庫サイズ/本文80ページ/500円
■STORY
家を出て五年。つまり、兄さんと別れてから五年。
おそ松兄さん、お元気ですか。
まだ実家にいますか。
それとも、家を出ているんですか。
来週、家の真上に隕石が落ちるそうです。
半径五キロの穴があくそうです。
付き合うことにした公園も、自転車で二人乗りした帰り道も、
コーラを買った自販機も、学校も、河原も、居間、子供部屋も、
全部なくなるらしいです。
ねえ兄さん、笑えるよね。
おれ達の思い出は、全部全部、
たったの半径五キロの内側にしかなかった。