【炭善小説】一葉の恋
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※現パロ/転生/17巻収録予定の話前提/その他捏造あり 大正善逸の写真を見つけた現代炭治郎が、 写真そのままの姿の善逸を見つけるお話。 2019/09/15 日輪鬼譚4新刊 炭善/小説/A6/本文80頁 pixivに詳しいサンプルあります→( https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11641284 )
一部抜粋
勧められるまま訪れた、山に程近い神社。炭治郎の他に客はおらず、神社の人間も丁度席を外しているのか、境内に人の気配はなかった。手水舎(ちょうずや)で手を清め、お賽銭を入れて、善逸が見つかりますようにと力強く手を合わせる。 御本殿から少し離れて、辺りを見回す。売店の女性は銀杏が綺麗だと言っていたが、目に見える場所に銀杏はない。 「こっちかな」 御本殿の裏へと炭治郎は足を運び――――息を呑んで立ち止まった。 注連縄を結ばれた立派な銀杏の木。その根元に、片膝を立てて座る青年がいた。見覚えのある白い柄糸の刀を抱いて、微睡むような顔で傍らに憩う幾羽もの雀の戯れを眺めている。長く伸びた金の髪を高い位置で一つに結んでいた。三角柄の、ぼかし染めの山吹色の羽織に、黒い詰襟の洋装――――鬼殺隊の制服。 炭治郎は目を疑った。けれど、見える景色は変わらない。 「…………ぜん、いつ?」 呆然と、無意識に零れ落ちた炭治郎の呼び掛けに、彼は細めていた目を瞬かせて、バッと顔を上げる。数秒間硬直し、信じられないものを見る様な顔で、彼は口を開いた。 「――――炭治郎?」
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