復刻版 新関健之助『富士の山』
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160頁、フルカラー印刷、カバー付き並製。 (本文ページの色再現については期待しないでください) 新美ぬゑ氏、高橋正彦氏、川勝徳重による解説冊子(16ページ、中綴じ)付き。 定価4000円(+消費税400+送料250) 戦前ストーリー漫画界の巨匠・新関健之助の戦中の単行本の復刻です。本作は、中村書店が出版した戦前の代表的な漫画叢書「ナカムラ・マンガ・ライブラリー」「中村絵叢書」全100冊のうちの最終巻でもあります。初版は1943年、この復刻の底本とした第二版は1944年に出版されております。 内容は富士山の表象、歴史、認識をめぐり壮麗な富士山の風景とともに展開してゆきます。主人公の少年の富士山に対する認識の推移をめぐる話でもあり、また父と主人公である兄、妹、三人の旅の物語でもあります。 創作話でありながらもドキュメンタリータッチで描かれており、少し類例のない漫画(絵物語)であるとも言えます。描写は臨調感あふれ、読者は二人の兄妹と一緒に富士登山をしたかのような気分になれます。八〇年ほど前の、もう二度と繰り返されることのない二日間の情景が誌面に刻まれております。 新関青花名義の時代挿絵から、児童向けの「トラノコトラチャン」、本作のような抒情的な絵物語から「魚雷戦」「空の中隊」といった戦闘シーンのある戦争ものまで、作品の幅が広いです。作者は本画(油絵)をやりたかったらしく、漫画や絵本、絵物語は生活のための労働でした。しかしその作品量やジャンルへのコミット具合は尋常ではなく、彼の仕事の全体像の把握は至難を極めます。戦前の職人気質でとても真面目な方だったのでしょう。 手塚治虫も憧れた新関作品の「富士の山」初復刻です。本文ページは状態の悪い底本を使用しているため色再現度に難があります。また第二版を使用しているので、状態のいい初版を手に入手できましたら再復刻するかもしれません。 (川勝徳重)